遺品整理は遺品を通して大切な方の思い出に触れ、悲しみを乗り越えるための大切な作業です。故人様はもちろん、作業を行う方がこれからの人生を前向きに歩いていくためにも作業は妥協すべきではありません。しかし、作業の方法を間違えると強い後悔が残ってしまう可能性もあります。
今回は遺品整理で後悔しないための方法をご紹介します。
この記事を監修した人
- 小西 清香氏
- 整理収納アドバイザー
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。夫の身内6人の看取りや介護をし、生前整理の大切さを痛感。
また看護師時代ICUに勤務し、人の最期もたくさん見てきました。
そんな経験を元に元気なうちから生前整理を!という思いで、片付けと合わせてお伝えしています。
遺品整理の後悔
作業を焦ってしまう
必要なものをリストアップしたり出てきた不用品をどのように処分するかを決めておいたりと、遺品整理には事前の計画と準備が大切です。しかし、実際の遺品整理は作業時間の確保が難しいことや、相続手続きや賃貸にお住まいだった場合は退去日など実質的なタイムリミットがあることも手伝って、どうしても作業を急がなければならなくなるのが現実です。
しかし、焦りから故人様の気持ちを顧みず事務的に作業を進めることは「大切な人の思い出が込められた品をないがしろにした」と精神的な後悔が残るだけではなく、次のようなケースが起こる可能性も考えられます。
必要なものまで捨ててしまう
事務的に整理作業を進めていくことの弊害はここにもあり、一つひとつの品をしっかりと吟味せずに仕分けていくことで大切な品に傷を付けてしまったり、遺産分割協議書や遺言状といった相続手続きに必要な重要書類を誤って捨ててしまったりと必要な品まで捨ててしまう可能性があるのです。
悪質な業者に依頼してしまう
この場合の「悪質」には2種類の意味があり、ひとつは作業の手抜きや技術・経験不足による間違った対応をされるといったような業者としての作業レベルが低い場合を指し、もうひとつは遺品整理を盾に品物の盗難や法外な作業料金を請求する違法業者を意味しています。
どちらに依頼した場合も大切な遺品をぞんざいに扱われたり詐欺行為に巻き込まれたりと、満足できる遺品整理とはほど遠い結末を招いてしまいます。依頼の際には、その業者が本当に信頼できるかどうかをしっかり調査する必要があるのです。
想定外に料金が高くなる
近年では遺品整理業者に整理を依頼する方も増えてきています。作業の労力と時間の大幅な節約につながりますが、作業料金が想定していた予算よりも高くついてしまい、後悔する方も多いようです。
しかし、作業に自信がない場合は業者に依頼する方が確実なため、料金相場と料金の仕組みを知ることで賢く利用することも考えてみてはどうでしょうか?
遺品整理の料金相場
遺品整理を業者に依頼する場合、依頼する部屋の広さと作業員の人数に応じて値段が高くなります。例えば1Kの一人暮らし用マンションであれば作業員は2名ほどで約30,000~50,000円、3LDKであれば作業員は6名で150,000~200,000円がおおよその相場になります。
ただし、これはあくまで間取りと作業人数だけを計算した額のため実際はそれに追加料金を加えた金額がかかることを覚えておく必要があります。これが2章で前述した「想定外に料金が高くなる」現象の正体です。
続いては「追加料金」について詳しく説明します。
遺品整理の作業料金が高くなる理由
大雑把に分類すると「遺品整理に関する業務以外の作業を依頼した時」「回収が難しい場合」の2つの理由で追加料金が発生します。さらに詳しく見てみましょう。
遺品整理に関する業務以外の作業を依頼した時
遺品整理業者には整理に関する法知識を身に着けた「遺品整理士」の資格を持っているスタッフが在籍している場合が多く、相続に関する各種書類の作成や役所への手続きを代行してもらえます。また、提携業者による特殊清掃やハウスクリーニングを提供してくれる業者もあるなど、遺品整理に必要な作業の全てを任せることができます。
しかし、上記のような品物の仕分け・回収以外の作業を依頼した場合は追加料金・オプション料金がかかってしまいます。
回収が難しい場合
エレベーターのないマンションの上階からの搬出依頼や、スペースの関係でトラックを駐車できない場合のように物理的に品物の搬出が難しい場合にも追加料金が発生します。また、家電4品目のようにリサイクルに料金がかかる品にはリサイクル料金が発生する場合があるなど回収が難しい場合は追加料金が発生しやすくなります。
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遺品整理の料金を安くするための3つのポイント
追加料金を発生させないためには以下の3つのポイントを意識して依頼することをおすすめします。
ある程度自分で進めておく
作業料金の名の通り、業者のスタッフさんに作業を任せるほど料金は高くなっていきます。そのため、簡単な仕分けや処分する品の分別と梱包のように自分でできる作業はある程度自分で進めておくと作業料金の削減につながることがあります。
しかし、確実に安くなるとは限らないのが難しいところ。次で詳しく説明します。
確認する
作業を自分で進めておけば業者スタッフさんの仕事が減るかと言われれば、確実にそうであるとは言えないのが現実です。一番実行しやすいであろう分別と梱包の場合であっても、回収前には一度開封して適切な分別が行われているか確認する必要があるため、かえって二度手間になってしまうことが多いのです。
そのため、業者に連絡する際には見積額や日付に加えて自分でここまで作業を進めたが料金を安くしてもらえるか?ときちんと確認しておけば予算と体力の節約につながります。
相見積もりを取る
自分が遺品整理に希望する条件を叶えながら料金を安くしたいのなら、複数の業者から相見積もりを取ることは必須と言っていいでしょう。相見積もりは安さを追求するだけではなく、業者の提案する作業プランと自分の希望条件を照らし合わせる狙いもあるため、よほど時間に追われていない限り、3~4社に見積もりをお願いするのが一般的です。
例として、遺品整理において重要な供養は頼む業者・希望する供養方法によって値段が大きく変わります。多くの場合は基本料金に組み込まれていますが、他の会社ではオプション扱いで追加料金がかかったり、そもそも供養自体を受け付けていない場合もあるため、せっかくの整理作業に余計な手間がかかってしまいます。
このように業者選びで後悔しないため、何より作業料金を安くするためにも相見積もりはしっかり行うようにしましょう。
後悔のない遺品整理のために
繰り返しになりますが、遺品整理は作業を行う方がこれからの人生を前向きに歩いていくための大切な作業です。今記事のタイトルのように安さを追求することも間違いではありませんが、あまりに値段だけにこだわるのも考えものです。
遺品整理は専門的な知識が必要であると同時に、孤独死の現場の特殊清掃のような専門技術も求められる作業です。あまりに安すぎる値段で請け負ってくれる業者は前述したような悪質業者の可能性もありますので、多少の出費は惜しまずに自分の理想を叶えてくれる業者を選ぶことが後悔のない遺品整理につながります。
まとめ
遺品整理を業者に依頼する際の作業料金を安くするためには
1:ある程度作業を進めておくこと
2:↑の作業が値下げにつながるか確認すること
3:相見積もりを徹底して安い業者を探すこと
以上の3点が大切になってきます。
しかし、遺品整理は専門性の高い作業のため、料金だけで選ぶと失敗する恐れもあります。業者を選ぶ際には自分の理想を的確に叶えてくれる作業を提供してくれるところを選ぶのが遺品整理で後悔しないためのポイントです。