遺品整理で困る故人の写真やアルバムはどう処理すべき?お役立ちコラム

作業風景

写真は、故人との大切な思い出が詰まった記録です。
遺品整理中に故人の写真が大量に見つかり、保管に困ることも少なくありません。
特に思い入れのある写真を前に、どれを残してどれを整理するかで悩む方も多いでしょう。

そこで今回は、そんな写真やアルバムを上手に整理する方法について、詳しくご紹介します。

この記事がおすすめな人
・故人の写真やアルバムの整理方法で悩んでいる方
・写真やアルバムの処分方法を知りたい方
・写真やアルバムを適切に保存し、思い出を大切にしたい方
・写真の整理に伴う感情的な側面に対処したい方

この記事を監修した人

監修者
小西 清香氏
整理収納アドバイザー

元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。夫の身内6人の看取りや介護をし、生前整理の大切さを痛感。
また看護師時代ICUに勤務し、人の最期もたくさん見てきました。
そんな経験を元に元気なうちから生前整理を!という思いで、片付けと合わせてお伝えしています。

仕分け前にすべての写真・アルバムを集める

仕分け前にすべての写真・アルバムを集める

まずは、室内にある写真やアルバムを一か所に集め、どれほどの量があるのかを把握しましょう。遺品整理を始める前に、写真やアルバム専用の箱を用意しておくと、作業がスムーズに進みます。

アルバムは直射日光による劣化を防ぐために本棚や押し入れに保管されていることが多いですが、必ずしもすべてがアルバムに整理されているとは限りません。
写真屋から受け取った袋に入れたまま保管されているものや、箱に無造作に入れられている場合もあります。また、タンスの中や机の引き出し、雑誌の間など思わぬ場所に保管されていることもあるので、丁寧に探しましょう。
特に古い写真は劣化しやすいため、扱いには注意が必要です。

写真やアルバムの整理は、他の遺品の仕分けが済んでから取りかかるのが理想です。
また、写真はアルバムだけでなく、データやフィルムで保管されているケースもあるため、それらも忘れずに確認しましょう。

パソコン・スマホのデータ

故人が使用していたパソコンやスマートフォンにも、多くの写真データが残っている可能性があります。これらは「デジタル遺品」として扱われ、特に貴重な写真が含まれている場合は、USBメモリなどの外部記録媒体に移すか、現像して紙の写真として保存することをおすすめします。
また、故人がSNSに投稿していた写真も、思い出深いものが多いため、保存を検討してみましょう。

ただし、端末内のプライベートなデータには注意が必要です。
故人が「デジタル遺品を整理しないでほしい」と希望していた場合は、その意向を尊重し、データに手を加えず、端末ごと廃棄するのが望ましいです。
遺品整理では、故人の意思を尊重することが何より大切です。

ビデオテープ・写真フィルム

ビデオテープや写真フィルムも、放置しておくとカビや加水分解が進み、再生や現像が困難になる可能性があります。もし再生機器が手元にない、または現像済みかどうかわからない場合は、写真屋さんや専門業者に依頼してデジタルデータに変換してもらうことを検討するのが良いでしょう。

遺品整理時の写真の仕分け方

遺品整理時の写真の仕分け方

写真を集め終え、全体の量を把握したら、仕分けを行います。

故人が写っている写真をすべて残しておくと、整理の意味がなくなってしまいます。
写りが悪い写真や劣化した写真、撮り直しが可能な風景写真、嫌な思い出を蘇らせる写真などは、割り切って処分しましょう。

故人が写っている写真はもう二度と撮影できないため、手放しにくいかもしれませんが、以下の基準に沿って整理すると、処分する写真を選びやすくなります。

親しい親族や家族の写真を優先して残す

大切な親族や家族が写っている写真は、思い出として残しておくと良いでしょう。特に、親族が集まったときに振り返ることができる大切な一枚になるかもしれません。一方、疎遠な親族の写真は思い切って処分しても問題ありません。

記念写真を残す

成人式や結婚式など、人生の節目を彩る写真は、故人の幸せな瞬間を振り返ることができ、心を温めてくれます。こうした記念の写真は、特に保存することをおすすめします。

似たような写真は1枚だけ残す

同じようなアングルや風景の写真が複数ある場合、写りの良い1枚を選んで残し、残りを処分すれば、写真の量を大幅に減らすことができます。

焦って作業しない

写真の整理は、他の作業と違って急ぐ必要はありません。
冷蔵庫の中の食品などとは違い、時間をかけてじっくり整理するのが理想です。

気持ちが落ち着いてから取りかかるのも良いですし、すぐに手が付けられない場合は、段ボールに一時的に保管しておき、後日落ち着いてから仕分けを行うことも検討してみましょう。

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遺品整理後に後悔しないための写真の保存方法

遺品整理後に後悔しないための写真の保存方法

写真の仕分けが終われば、次は「保存方法」と「処分方法」を考えましょう。
まず、写真の保存方法について紹介します。

新しいアルバムに保存する

古いアルバムにそのまま写真を保管しても構いませんが、仕分けの結果、アルバムに余白ができてしまった場合は、新しいアルバムに写真を貼り直すのも良いでしょう。これにより、改めて思い出の写真を見直すことができ、心の整理をつける良い機会にもなります。
保管場所は湿気がこもらない風通しの良い場所を選びましょう。湿気はカビや写真の劣化を招くため、定期的にチェックすることも必要です。

デジタルデータとして保存する

写真が多い場合は、クラウドサービスを利用してデジタルデータとして保存する方法もおすすめです。この方法なら写真が劣化する心配もなく、物理的なスペースも必要ありません。
データ化する方法には、スキャナーを使用して写真を取り込む方法や、写真屋さんや専門業者に依頼してDVDやCD-ROMに記録してもらう方法があります。
また、最近はスマホのスキャンアプリも性能が向上しており、まるでスキャナーで取り込んだかのような高品質な写真データを作成できます。写真の枚数が少ない場合は、こうしたアプリを試してみるのも良いでしょう。

データ化した写真は、デジタルフォトフレームに保存して飾るのもおすすめです。フォトフレームを使えば、アルバムを取り出す手間がなく、いつでも簡単に写真を見返すことができます。
また、クラウドサービスを利用すれば、遠方の親戚や故人の友人と簡単に写真を共有でき、故人の思い出を懐かしむこともできます。

形見として親しい人に分配する

故人と親しい友人や親族が写っている写真は、形見分けとして渡すのも良い選択です。ただし、無理に写真を渡すのではなく、相手の状況や関係性を考慮し、迷惑がかからないように注意しましょう。特に、生前にあまり親交がなかった相手には、慎重に対応することが大切です。

これらの方法を活用して、大切な写真を後悔しないように保存してください。

遺品整理で出てきた写真の処分方法

遺品整理で出てきた写真の処分方法

続いて、写真の処分方法を説明します。

思い出がこもった写真を処分する際には、故人や写っている人の思いを尊重し、最後まで丁寧に扱うことが重要です。写真には個人情報やプライバシーが含まれるため、慎重に処理しましょう

処分する際は第三者に見られないように工夫する

写真を処分するときは、プライバシー保護のため、他人に見られないよう紙に包むなどして処分すると安全です。さらに徹底する場合は、写真を破ったり、シュレッダーにかけたりする方法もあります。
ただし、故人の写真に刃を入れることに抵抗がある場合は、漂白剤を混ぜたお湯に一晩ほど浸けることで、写真が白一色に変色します。

ゴミとして分別、処分する

写真やアルバムは自治体のゴミ分別ルールに従って処分しましょう。
写真は一般的に可燃ゴミとして処分できますが、アルバムは金属部品やフィルム部分が含まれるため、事前に分解して正しく分類する必要があります。
自治体によっては、アルバムをそのまま家庭ゴミとして回収してくれることもありますので、お住まいの地域のルールを確認してください。

*そのまま捨てることに抵抗がある方は、次の5章で紹介する方法を検討してください

業者に回収してもらう

写真やアルバムを含めた不用品回収を業者にお願いすることも可能です。これにより、分別作業の手間が省け、短時間でスムーズに処分できます。特に大量のアルバムがある場合に便利です。

写真を処分するときの注意点

たとえ自分の所有地であっても、庭や空き地で写真を焼却するのは火災のリスクがあるため避けてください。

写真の処分にどうしても抵抗を感じてしまう場合は?

写真の処分にどうしても抵抗を感じてしまう場合は?

故人が写った写真をゴミとして捨てることに抵抗がある場合は、以下の方法を検討してみましょう。

お焚き上げ

お焚き上げは、物に宿る魂や思いを供養の炎で浄化する儀式です。お焚き上げを希望する場合は、いきなり寺院や神社へ持ち込まず、事前に受付可能か問い合わせて確認しましょう。最近では、遺品整理業者がオプションとしてお焚き上げを手配してくれることもあります。

また、オンラインでお焚き上げ代行サービスを利用する方法もあります。申し込むと、業者からキットが届き、そこに写真を入れて返送するだけでお焚き上げを任せることができます。

遺品整理プログレスでは、写真やアルバムの他、希望される遺品のお焚き上げも手配いたします。

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白い布や紙に包んで処分する 

故人の写真を処分する際、罪悪感を感じる場合は、白い布や紙で包み、見えないようにして処分する方法があります。処分時に感謝の気持ちを込めてお清めの塩を撒くことで、気持ちが軽くなり、安心して手放せるでしょう。
神社やお寺にお守りを返しに行けない場合も、同様の手順で処分することが推奨されています。

また、写真と一緒に、故人への感謝や思いを書いた手紙を添えたり、仏壇や専用の場所でお線香やロウソクを灯して静かに故人への祈りを捧げたりする方法も、心を落ち着かせることができ、区切りを付けやすくなります。

白い布や紙ってどんなものでもいいの?
包み方や塩の撒き方も自己流でいいのかな……

特に決まりはないけど、詳しく説明しますね。

白い布や紙に包む際の具体的な方法

素材の選択

白い紙
無漂白の白い和紙やコピー用紙など、無印刷で化学処理の少ないものが良いでしょう。紙は簡単に手に入るため、使いやすいです。

白い布
コットンやリネンなど、自然素材の布が適しています。合成繊維の布は避ける方が無難です。布はしっかりと包むことができ、再利用も可能です。

包み方

①用意するもの
・白い紙または布
・テープ(紙テープや布テープ)
・お清めの塩(少量)

②包む手順

1.紙を使用する場合
・写真を白い紙で包む前に、少量の塩を写真の上に振りかけます。これにより、感謝の気持ちを込めた処分ができます。
・写真を紙で包み、包み終わったらテープでしっかりと留めます。包んだ紙が見えないように、全体を密封してください。

2.布を使用する場合
・写真を白い布の上に置き、少量の塩を振りかけます。
・布で包み込み、端を折りたたむか、しっかりと包んでから、布の端をテープや紐で留めます。隙間がないように丁寧に包んで、封をしっかりとしましょう。

お清めの塩は調理用のもので構いません

お清めの塩として、普段使っている調理用の塩を使うことは問題ありません。特別な種類の塩でなくても大丈夫です。ただし、儀式や宗教的な場面では、専用のお清め用の塩や粗塩が使われることもありますが、日常的なお清めの場面では、一般的な塩で代用できます。

重要なのは、その塩を使う際の気持ちや意図です。お清めの意味を込めて使うことで、その効果が生まれるとされています。

処分方法

・包んだ後は、通常の可燃ゴミとして処分できます。ただし、地域のゴミ分別ルールに従ってください。
燃えるゴミとして処分する際は、他のゴミと混ざらないよう、専用の袋に入れると良いでしょう。

この方法で、感謝の気持ちを込めた処分ができるとともに、プライバシーや尊厳を守ることができます。

まとめ

写真を処分する際は、プライバシー保護に十分配慮することが大切です。
特に故人が写っている写真は、思い出が詰まった大切な遺品です。
写真の整理作業は、故人との思い出に向き合いながら、自分の心を整えるための貴重な時間となります。
焦らず、納得のいくまで丁寧に取り組むことをおすすめします。

この記事を執筆した人

執筆者
株式会社プログレス
編集部 F・N
フリーライター時代に取材した遺品整理の仕事に興味を持ち、プログレスの編集メンバーに。
遺品整理やゴミ屋敷の問題や疑問、関心を先回りして発見し、問題提起するプログレスきってのリサーチャー。
身近に起きる不用品処分や遺品整理の悩みを記事でサポートするをモットーに、プログレス各種サイトのコラムを執筆中。

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