遺品整理は故人と向き合うための作業ですが、あまりに遺品が多いと、向き合うよりも処分するために時間を使うことになりかねません。そのようなときは「メルカリ」のような気軽に利用できるフリマアプリの活用がおすすめです。
遺品整理の負担を少しでも軽くしてほしいという願いを込めて、当コラムではメルカリを利用した遺品整理の進め方や、高く売る方法などを紹介します。とても便利なので、ぜひ参考にして活用してみてください。
この記事を監修した人
- 小西 清香氏
- 整理収納アドバイザー
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。夫の身内6人の看取りや介護をし、生前整理の大切さを痛感。
また看護師時代ICUに勤務し、人の最期もたくさん見てきました。
そんな経験を元に元気なうちから生前整理を!という思いで、片付けと合わせてお伝えしています。
フリマとネットオークションの違い
個人売買ができるメルカリと並んで、ヤフオク!などの他のアプリの名前もよく聞きます。しかし、違いがよく分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。まずはその違いから説明します。
①メルカリなどのフリマアプリ
フリマアプリの特徴は、すぐに始められて、簡単に出品できることです。売りたい品物の値段は自分で決めて、買い手が決まればそれで終わります。買いたい人がいればすぐに売れて、相手に送ればやり取りは終了するので、出品からやり取りの終わりまでが1週間もかからない場合がほとんどです。値段を自分で決めたい人や、早く売りたい人に向いています。
② ヤフオク!などのネットオークション
ネットオークションの特徴は、期間を決めて、その期間内は買い手がいても待たなければいけないことです。フリマアプリと大きく異なる点は、買いたい人が値段を決めることです。買いたい人が多ければ競り上がるので、高値で売れます。ヴィンテージものがあれば迷わずヤフオク!で売るのをおすすめします。やり取りが長引いても、高く売りたい人やヴィンテージものを手放す場合はネットオークションの利用が向いています。
メルカリのメリットとデメリット
気軽に利用できるため、多くの人が利用しているメルカリですが、デメリットもあります。よく知り、状況にあった使い方ができるようにしましょう。
①メリット
メルカリといえば、気軽に、簡単に出品できることで有名です。アプリを登録してすぐに出品ができるので、手間がかからず、気軽に利用できます。登録は無料なので、今すぐは使わないけれど登録だけしておけます。
欲しい人が多くいれば、高く売れます。それに、メルカリの登録者数はとても多いので、出品すれば多くの人の目に触れます。つまり、売れる可能性が非常に高いということです。
メルカリには発送方法に種類があり、梱包が苦手であれば倉庫に送って梱包を代わりにしてもらえるサービスがあります。また、住所を知られたくない人は匿名発送もできるので、安心して始められます。
②デメリット
少しでも高く売りたいならその品物の価格相場を調べなければなりません。売りたいものが多いと、その数だけ相場を調べなければならないうえに、出品用の写真と説明文を準備しなければいけません。出品の手続きにかなりの手間と時間をとられるとあらかじめ納得しておきましょう。
発送時に住所などの個人情報の開示が必要なので、トラブルに巻き込まれる可能性があります。先ほど、匿名発送ができると「メリット」の項目に書きましたが、中には匿名発送ができないものがあったり、出品時に匿名発送に変更するのを忘れてしまったりすれば、購入者に出品者の情報が知られてしまいます。そういうことがないように注意しておかなければなりません。
破損や故障しやすいものも要注意です。もし破損して相手に届いた場合、返金・返品の手続きが必要です。丁寧に梱包をして、補償付きの発送方法を利用するなどの工夫も必要となるため、発送に手間がかかります。
出品の前にしておくこと
メルカリに出品するといっても、何でも出品していいというわけではありません。まずは遺品を手元に残すものと不要なものに分けます。不要なものの中でも損傷が激しかったり、あまりにも汚れがひどかったりするものは売れないので処分します。そうして出品できそうなものを分類分けします。
後程詳しく説明しますが、シリーズものやジャンルで揃ておくと良いでしょう。付属品や特典などがあれば、まとめておきましょう。汚れはできるだけ取り除き、少しでもきれいな状態にしておけば、写真を撮る際に手間を省けます。
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高く売れるもの
高く売れるものというのは、案外分からないものです。昔のおもちゃやレコードなど、ゴミのように思えるものが意外と高く売れることがあります。もし古い玩具類などが手元にあれば、捨てずに売ってみるとのも一つの手です。
下記に高く売れるものをまとめました。ぜひ参考にしてください。
おもちゃなど
日本人形、キャラクター人形、フィギア、プラモデル、古いおもちゃ
限定品や記念品など
昔の漫画、昔のCDやレコード、醸造が終了しているお酒、限定・記念エンブレム、昔のブランドもののライター
コレクターが欲しそうなもの
貴重・入手不可能な切手、サイン入りのボール、アイドルやバンドの公式グッズ、日本や中国の古書
価値のある骨董品のポイント
陶器・食器:歪みや曲線があり、絵柄の表面がつるつるしていない。
骨董品・掛け軸:表面が凸凹しており、作品や箱に落款や刻印、サインがあり、箱は桐などの高価な木で作成されている。記載された年代を確認し、その年代の作り方かどうかを調べる。
絵画:表面がざらざらとしており、作者の名前を確認する。絵具やキャンバスが、絵画の年代とあっているか調べる。
できるだけ高く売るコツ
では、どのようにすれば高く売れるのか。メルカリなどに出品する際は、少し手間をかければ目につきやすく、高く売れます。
その「少しの手間」について紹介します。
①汚れやホコリは全て取り除き、きれいな状態にします。付属品や箱があれば一緒にまとめましょう。購入時の状態に近いほど売れやすく、未開封であればさらに高く売れます。
②売れやすい時期、需要を考えましょう。例えば、服は冬物や夏物など季節に合わせて使用するものなので、シーズンが終わる頃ではなくシーズンが始まる少し前に出品しましょう。需要を見極めるためにも、その時期の流行をしっかりと確認することが大切です。古いおもちゃや漫画などは、販売〇〇周年のように記念年であればより高額で売れる可能性があります。
③シリーズものはセットにして売りましょう。本やゲーム、カードは特にまとめて売ると高くなります。また、安いおもちゃもまとめて売るほうが買い取ってもらいやすくなります。
④商品の説明をしっかりと記載し、写真を丁寧に撮りましょう。なぜなら、大多数の人の目につきやすいからです。メルカリの利用者数は非常に多く、出品数も膨大なので、特徴の乏しい状態で出品してまうと誰の目にも触れずに埋もれてしまいます。例えば、同じものを出品した人がいて値段も同じだったとしましょう。説明文や写真からしか違いを伺えないのであれば、丁寧な説明や写真を掲載しているほうの商品を買いませんか?できるだけ詳細を書いていると信用度が増し、購入に繋がります。傷がある場合はその箇所の説明と写真をつけると、さらに印象は良くなります。
まとめ
メルカリを始めとしたフリマアプリを遺品整理で活用する人が急激に増えてきました。
利用方法が分からない場合は、ご家族やお孫さんに手伝ってもらいましょう。使用できるものは入手を希望している方に使っていただけると、故人もきっとお喜びになられるでしょうし、ご遺族の皆様も安易に処分するよりも心が安らぐのではないでしょうか。
メルカリを利用した遺品整理で、金銭面や精神面の負担を少しでも軽減しましょう。
最初にも述べましたが、遺品整理とは、故人が大切に使用していた日用品や家財道具を整理することで故人との思い出を振り返り、気持ちを整理する作業です。処分するには偲びないと思う遺品も数多くあるでしょう。そうした品物は必要としている方に引き続き使ってもらうほうが故人もきっとお喜びになるはずです。手軽に利用できるフリマアプリを利用して、活きる遺品整理を行いましょう。少しでも楽しい思い出が蘇る遺品整理となりますように。