遺品整理は時間がかかり、大変そうだと思う方は多いかもしれません。そういう方は、遺品整理を手伝ってくれる専門の業者へ依頼するといいでしょう。人生で一度行うかどうかのことですので、できれば信頼できる業者に依頼したいですよね。
このコラムでは、依頼者と業者との間で生じるトラブルを例に挙げ、良い業者の選び方を考えていきます。業者選びに迷ったら、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を監修した人
- 小西 清香氏
- 整理収納アドバイザー
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。夫の身内6人の看取りや介護をし、生前整理の大切さを痛感。
また看護師時代ICUに勤務し、人の最期もたくさん見てきました。
そんな経験を元に元気なうちから生前整理を!という思いで、片付けと合わせてお伝えしています。
遺品整理は業者に頼むべき?
一体どういった基準で業者へ依頼すればいいのでしょうか。
遺品整理のときに困るのは、全く整理されていない遺品の分別だと思います。持ち物が少ない方だと遺品整理はすぐに終わるので業者に頼まなくても自分でできます。しかし、物が多い方だと片付けるのは大変なため、業者に依頼するほうが精神的にも肉体的にも負担は軽減できます。時間がなく忙しい方や、遠方に住んでいてなかなか整理しに行けないなど、自分だけで進められないならば、業者へ依頼しましょう。
よく起こるトラブル
遺品整理を業者に依頼する人は年々増えています。依頼する人が増えるということは、その流れに乗った悪質な業者も増えるということです。また、それに伴ってトラブルも増えます。その中でも特に多く起こっている問題を知り、注意して業者へ依頼しましょう。
見積書よりも高い金額を請求される
見積もりをしてもらい、当日作業が始まると、ことあるごとに追加料金を請求してくるというトラブルがよく報告されています。相見積もりで一番安い業者を選んだにもかかわらず、結局一番高い費用を支払うことになったという事例です。
不当な高額請求
相場よりも2~3倍以上の値段で契約を迫ってくるというトラブルもよくあります。女性やお年寄りの方に、その場に居座って上から大きな声で威圧し、無理やり契約を結ぶことになってしまったという事例です。
高価な物を安く買い高く売る
依頼者が骨董品や美術品に詳しくないことをいいことに、高価な美術品や貴金属、宝石などを価値のないものとして買い取り、高額で販売するケースです。大切な遺品であるのに偽の価値を付けて他所で高値で売り飛ばしてしまう悪質な業者も存在します。
形見や貴重品の盗難
遺品を整理するには業者を家の中に招き入れて、作業を実施してもらう必要があります。その際に、依頼人の目を盗んで貴金属や宝石など、価値のある品物を自分のポケットに滑り込ませて窃盗を働き、盗難被害に遭うケースも珍しくありません。会社ぐるみで行っていることもありますが、手癖の悪いスタッフが個人で盗んでいる場合もあります。
回収した遺品を不法投棄する
不用品の処分は許可を得ていないと廃棄することも営業することもできません。しかし、許可を得ていない悪質業者は山などに不法投棄します。もしそれが後に判明したら、依頼者も依頼したことで責任を被ることになりかねません。
トラブルを防止するために事前にできること
第2章でとりあげたトラブルの事例を基に、事前にできることを考えていきましょう。知っているのと知らないのとでは、悪質業者を引き当ててしまう確率も変わってきます。まずは信頼できるかどうか慎重に選びましょう。
相見積もりをとる
まずは何よりも業者への依頼料の相場を知ることが大切です。最低でも3社程度には相見積もりをとりましょう。他の業者と比べて極端に安すぎる場合は注意が必要です。
料金設定を事前に確認する
追加料金がかからないかどうかは必ず確認しましょう。後からあれもこれもと料金を上乗せされないための対策です。また、口だけでなく、契約書にもそういった記載があるかの確認も必要です。口約束というのは後から違うと言われれば証拠を提示しにくいものですので、気を付けてください。
買取実績があるかの確認
ほとんどの業者ではホームページを調べれば買取実績が掲載されています。載っていない業者であれば、買取経験がない、もしくは非常に乏しい、または安く買い取って高く売るというような業者である可能性が高いです。遺品の整理や買取を依頼するのは避けるほうがいいでしょう。
貴重品は自分で保存する
貴重品の管理には特に気をつける必要があります。目のつく場所に貴重品を置いておくのではなく、業者が家に来る前に金庫に入れておくか、業者が入らない部屋にしまっておくようにしましょう。また、置いた場所の写真を撮っておき、作業後になくなっていないか確認をすることも必要です。
絶対に残しておきたい遺品は前もって分別しておく
遺品の中には他の人からみると価値のないものだと判断してしまうものがあります。例えば写真や思い出の品などです。そういった他人に判別が難しいものは、必ず前もって仕分けておきましょう。後から残しておきたかったと言っても、それらが返ってくることはありません。
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悪質業者の見極め方
この章では、悪質業者の特徴を紹介します。第3章と併せて覚えておくと、悪質業者に依頼してしまう事態をさらに抑止できます。
料金が異様に安い
相見積もりをとると分かりますが、相場よりも異様に安い業者が存在することがあります。そういった業者には注意が必要です。見積もりが安いということは、作業後に高額な追加料金を請求してくる業者か、不法投棄を行っている業者である確率が高いです。
直接訪問せず電話などで見積もりを出す
直接現場を見ないではっきりとした見積もりを出すことは難しいです。そのため、見積もりも契約も全て電話で済まそうとする業者には注意が必要です。そういう業者は後から高額な追加料金を請求してくる場合が多いです。必ず訪問してもらえるか確認しましょう。
明確な見積書を出してくれない
何にどれだけの金額がかかっているかということは、誰もが気にすることであるにもかかわらず、粗末な見積もりを出し、その見積もりで契約を迫ってくることがあります。何にどれだけかかっているか分からないので後から追加料金を請求しやすいのです。見積内容についての質問をはぐらかされたり、教えてもらえない場合は依頼しないようにしましょう。
許可を取得していない
不用品を回収して捨てる場合、業者は「一般廃棄物収集運搬業」という許可が必要となります。その許可証を持っていないと、しかるべき場所に廃棄することはできません。許可のない業者は、山などに不法投棄していることがあります。許可の記載がなく、確認してもはぐらかす業者は危険です。
良い業者の選び方
第4章では悪質業者について述べましたが、では逆に、依頼したくなる良い業者とはどのような業者のことをいうのでしょうか。この章では、良い業者の特徴をまとめました。
対応が丁寧である
当たり前のことのように感じるかもしれませんが、これが一番重要なことかもしれません。質問したことに分かるまで答えてくれることや、作業中の態度など、全てにおいて丁寧な対応を行える業者というのは意外に少ないものです。それに相談しにくければ意見や要望が通らなくなってしまうので、対応が良く、依頼者の気持ちを汲んでくれる業者に依頼するようにしましょう。
遺品整理だけじゃないサービスの豊富さ
遺品整理をいありする際に、買取サービスや清掃サービスがあれば、他の業者に頼む手間が減ります。それに、他のサービスが豊富な業者のほうが、要望を叶えてもらいやすくなります。また、併用するほうが手数料はその業者に支払うだけなので、安くすむというのも利点です。
不用品の適切な処分
基本的に「一般廃棄物収集運搬業」の許可証を持っている業者です。心配であれば、ホームページなどに記載がありますので確認してみましょう。もし記載がなくても、持っている会社と提携を結んでいるなどの事情もありますので、実際に確認してみてください。丁寧に質問に答えてくれる業者であれば、良い業者です。
見積書の明確な記載
信頼できる業者であれば、何にいくらかかるかという細かな記載がされている見積書を提示してくれます。また、分からないことを聞いても丁寧に応えてくれ、不安や疑問を取り除いてくれます。そのような、お客様に寄り添った接客をしているかで業者の良し悪しが判断できます。
訪問見積もりをしてもらえる
前章でも記載しましたが、電話だけで見積もりを行う業者は危険です。基本的に訪問してもらえると思いますが、もし忙しくてメール見積もりを希望する場合も相見積もりをとり、上記のことを確認しましょう。
まとめ
遺品整理業者の需要が高まったことで増えてしまった悪質な業者。トラブルに巻き込まれないために、よく知り、よく考えてから業者に依頼することが大切です。このコラムを読んで、信頼できる業者と出会えましたら幸いです。