部屋は何もせず放置し続ければ、自然とホコリが積もり汚くなるものです。部屋を長期間片付けていない状況もそうですが、遺品を放置し続けた場合も自然と汚くなります。そんな部屋を見て、「全部捨てたい」と思うことは、ごく自然なことではないでしょうか。
今回はそんな「全部捨てたい」という気持ちを抱いたときに、どうしたら片付けられるか、どのような捨て方が良いか、などを紹介していきます。
この記事を監修した人
- 小西 清香氏
- 整理収納アドバイザー
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。夫の身内6人の看取りや介護をし、生前整理の大切さを痛感。
また看護師時代ICUに勤務し、人の最期もたくさん見てきました。
そんな経験を元に元気なうちから生前整理を!という思いで、片付けと合わせてお伝えしています。
全部捨てると
まず捨て方や、片付け方を紹介する前に、全部捨てるとどのようなことが起きるのかを理解しておく必要があります。
部屋にある物を全部捨てると、当然部屋はきれいになりますが、他にもさまざまなメリット、そしてデメリットが生じてきます。つまり、良い点を理解しておくことは片付けのモチベーションを上げることができ、悪い点を理解することは事前に回避することができるようになるのです。
メリット
基本的には捨てることや片付けることには多くのメリットがあります。
ポジティブになれる
部屋が汚いと、部屋に日光が当たらなかったり、湿度が上がりじめじめしていたりと部屋の環境を悪化させてしまう要因が増えます。部屋をきれいにすれば、そのような状況から抜け出せ、部屋は明るくなり、快適な空間に変わります。快適な空間で生活できれば、そこに住む人の気持ちは上がり、ポジティブになることができます。
生活が豊かになる
部屋が汚いと友人などを招くことはできないうえ、生活スペースも限られてきます。そのような状況では部屋でできる趣味や楽しみは数えるほどしかないはずです。もし、部屋をきれいにできれば友人を呼び、パーティーを開くこともできます。さらに運動器具を持ち込めば、筋トレやヨガなど健康的な趣味を始めることもできます。部屋をきれいにすることは友人関係を深めたり、趣味を増やすことができ、生活が豊かになるのです。
お金が貯まる
汚い部屋は、部屋に物が多いという証拠です。物が多ければ失くし物をしたとき、見つかる可能性はきれいな部屋より下がります。つまり、汚い部屋は失くし物が多く、同じ物を何度も買う必要があります。また、部屋がきれいであれば、物の配置などにも気を遣うため、「この品物を買って、本当に置き場はあるのか」と考えるようになるので、無駄な出費が減らせます。
デメリット
必要な物まで捨ててしまう
一気に捨てることに執着するがあまり、必要な物まで捨ててしまうことがあります。それが思い出の品物であれば、再び手に入れることはできません。つまり、捨てる際は適当に進めるのではなく、一つずつ確認しながら進める必要があるのです。
リバウンド
これも一気に捨ててしまう場合に起こります。きれいになった環境にすぐに対応することができる方もいらっしゃいますが、落ち着かなくなる方も多いそうです。そのような落ち着かなさを埋めるため、また新たに物を買い足していっては、部屋が汚くなります。これが「リバウンド」です。片付けは徐々に進める、慎重に捨てるなどの対策を取りましょう。
つまり、全部捨てることは、物と時間に細心の注意を払いながら行うことで、多くの利益を得ることができます。そして、メリットをもっと具体化(「部屋をきれいにしてヨガを始めたい」「インスタグラマーのような部屋を手に入れたい」など)すれば片付けのやる気を引き出すことができます。
さまざまな捨て方
では、どのような捨て方が一番良いのでしょうか。
捨て方といってもさまざまな方法があります。
ゴミとして捨てる
燃えるゴミやプラスチックなどに分別したのち、処分します。この方法であれば、自治体で決められている回収日に合わせて捨てていけば物を減らしていくことができます。
リユースする
「すべて捨てたい」と思っても、捨てがたい物は出てくるものです。そのような品物はリユースがおすすめです。処分することにはならず誰かに使ってもらうことができます。また、買取となれば処分予定の品物がお金に変わることもあります。
リメイクする
価値はないが捨てがたい品物はリメイクがおすすめです。リメイクとは古着を巾着に変えたりするといった、一つの品物を別の品物(小物)に変えることを指します。いつまでも手元に思い出の品物を遺しておくことができます。
写真に残す
捨てがたい品物の多くはその品物自体が必要ではなく、そこに宿った思い出が手放せない原因であることが大半です。つまり、写真に撮り思い出だけを残せれば、簡単に手放せる品物は多くあるはずです。写真に撮って手放せるか考えてみるのもおすすめです。
このようにさまざまな方法を駆使して進められれば、捨てることに抵抗がある方でも気持ちよく捨てることができるのではないでしょうか。
全部を捨てるには
捨て方をいくつか紹介してきましたが、量が多いと一人で全部を捨てていくのは困難です。
そのような場合は業者依頼がおすすめです。
業者に依頼すれば、汚い部屋も数日のうちに全て回収し、処分まで進めてくれます。また、先ほど紹介したリユースやリメイクなども取り扱ってくれる業者もいるため、自分の好みの捨て方を品物一つひとつに注文できます。
ただ、遺品整理をゴミ屋敷清掃業者に頼んだりといったような、少し似ているが全く違うサービスを行う業者への依頼は気を付けましょう。間違えてしまうと、遺品をゴミとして扱われるなどの問題が発生します。ゴミ屋敷はゴミ屋敷、遺品は遺品、不用品は不用品と自分のニーズに合った業者に依頼しましょう。
そのため、依頼前に自分に合った方法を見極める必要があります。自分の散らかっている原因がゴミなのか遺品なのか、不用品なのかをはっきりさせましょう。
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注意したいこと
捨て方と進め方が分かれば安心と思われるかもしれませんが、まだ注意しておくことがあります。
個人で進める場合と業者に頼む場合を分けて紹介します。
個人で進める場合
無理な計画で挫折
「全部捨てたい」と思う方の大半は、部屋の片付けが得意ではありません。つまり、自力で一気に片付けるのはほぼ不可能ということです。そのため、無理な計画を立ててしまうと必ず挫折してしまい、さらには片付けるために、物を一度出したことなどから、以前よりもさらに散らかるといった問題を引き起こす可能性もあります。そのため、挫折しないような計画を作りましょう。
トラブル
遺品整理などの場合は、親族全員が進める意識を持つ必要があります。他人任せで進めると、一人に負担が行き過ぎてしまいトラブルの原因ともなります。また、片付けを友人と進める場合も友人に頼りすぎず、できる限り自分が中心で進めるという責任感を持ちましょう。
業者に頼む場合
悪徳業者に依頼しない
業者依頼で一番気を付ける必要があるのが、悪徳業者への依頼です。適切な回収や処分がしてもらえないばかりか、追加請求や部屋に傷をつけたりとさまざまなデメリットがあります。悪徳業者に依頼しないためには、契約前に見積書を貰い、問題はないか一つひとつ確認し、口コミを見たりなど、すぐに契約しないことが重要です。
維持していくためには
部屋の物を全部捨てた後は、その部屋を維持していくことが重要です。
リバウンドしてしまってはもう一度やり直しです。
そのために、維持する方法を紹介します。
なぜ汚くなったのかを理解する
汚くなった原因は「忙しくて片付けられなかった」「遺品がたくさん入ってきた」などさまざまな理由があるはずです。その理由を理解しないまま、維持することは不可能です。自分の原因を解決するために、なぜ汚くなったのかを考え、その対策をとるようにしましょう。
きれいであるメリットを享受する
1章でも述べましたが、部屋の物を捨てるとできることが増えるといったメリットがあります。そのメリットを最大限享受していると、片付けをこまめにやる活力になるはずです。維持するために、きれいになったメリットを常日頃意識するようにしましょう。
まとめ
汚い部屋をきれいにするためには、常にきれいになった後のことを具体的にイメージし、無理のない計画で進めることが重要です。全部捨てたい気持ちを一気に開放するのではなく、こまめに長く放出していきましょう。片付け続ければ必ずきれいになるはずです。
この記事が少しでも物が多い部屋から脱出するきっかけとなりましたら幸いです。お読みいただきありがとうございました。