両親や親戚が亡くなった際に問題になるのが、故人の遺品整理です。遺品整理は決まった方法はありませんが効率よく進めるための進め方やポイントなどがあります。また、遺品整理は自分達でする方法と専門の業者に依頼する方法もありますので、今回は初めて遺品整理を経験される方のために詳しく解説していきます。
この記事を監修した人
- 小西 清香氏
- 整理収納アドバイザー
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。夫の身内6人の看取りや介護をし、生前整理の大切さを痛感。
また看護師時代ICUに勤務し、人の最期もたくさん見てきました。
そんな経験を元に元気なうちから生前整理を!という思いで、片付けと合わせてお伝えしています。
遺品整理とは
遺品整理という言葉は聞いたことがあっても、実際は経験することが少ないため何をするのか分からないという方も多いのではないでしょうか。この章では遺品整理について詳しく解説します。
そもそも遺品整理とは?
そもそも遺品整理とはその名の通り故人の遺品を整理する作業です。遺品整理は不用なものを処分するだけの作業に思えますが、全ての財産を確認して、親族へ分配するなど大事な作業も含まれます。遺品整理を疎かにすると親族トラブルに発展することも少なくありませんので、慎重に行う必要があります。
遺品整理をするタイミング
遺品整理はいつまでにしないといけないという決まりはありません。家族が亡くなった際は様々な手続きがありますので、少し落ち着いたタイミングでする方が多いです。しかし、あまり後回しにすると相続税が発生したり、家賃や固定資産税が発生したりすることもありますので気をつけましょう。一般的には「葬儀や各種手続きなどが落ち着いてから」「四十九日が終わってから」などのタイミングで始める方が多いです。
遺品整理は誰がするもの?
故人が亡くなった際、誰が遺品整理をしないといけないという決まりはありません。しかし、遺品は相続品ですので相続人である子供や親戚が行うのが一般的です。相続人が複数いる場合は勝手に遺品整理をしてしまうとトラブルになることもありますので、相続人で話し合って「いつするか」「誰がするか」を決めておくようにしましょう。
遺品整理は自分たちで?それとも業者?
遺品整理は自分達でする方法と専門の遺品整理業者に依頼する方法があります。遺品の量や遺品整理を行える人数によってどちらがいいか異なります。この章では遺品整理を自分でする方法、業者に依頼する方法のメリットをそれぞれ紹介します。
自分たちでする
遺品整理を行える人数が多い場合は自分たちでする方法がおすすめです。相続人である親戚で協力し合って遺品整理を進めていきましょう。遺品整理を自分たちでするメリットは何より費用が抑えられることです。また、自分たちで遺品を整理することによって故人との繋がりを感じ、気持ちを整理する時間にもなります。
業者に依頼する
遺品整理は精神的にも体力的にも大変な作業です。業者に依頼すればその分の費用はかかりますが負担を減らすことができます。さらに業者に依頼することで、不用品を処分してもらえたり、価値があるものがあればそのまま買取りしてもらえることもあるため短い時間で効率よく遺品整理を終わらせることができます。
遺品整理の前にすること
遺品整理を進める前に準備するものや決めておかなくてはいけないことがあります。いきなり遺品整理を始めるのではなく準備をしてから始めることで効率よく進めることができます。この章では遺品整理をする前に準備することなどをご紹介します。
遺族で話し合う
遺品整理を家族や親戚でする場合は、いつ、どのように進めていくか決めておきましょう。できればバラバラの日に遺品整理をするのではなく、同じ日にみんなで協力して進めることで効率よく、さらにトラブルを防ぐことにもなります。
不用品の処分方法を確認する
遺品整理では必ず処分する不用品が出てきます。地域によって処分する方法は異なりますので、ゴミの日や処理方法を事前に調べておくようにしましょう。
遺言書やエンディングノートを残していないか確認する
遺品は故人が遺した大切なものです。遺族にとっては不用なものでも価値があるものや故人の思いが詰まったものもあります。できるだけ故人の意思を尊重して遺品整理を進められるよう、まずは故人がエンディングノートや遺言書など残していないか確認しましょう。
必要なものや服装を準備する
遺品整理を行う当日は「ダンボール」「ハサミ・カッター」「ガムテープ」「ごみ袋」「軍手」「輪ゴム」「メモ用紙」「ペン」「ドライバー」などがあると便利です。服装は汚れてもいい格好でするようにしましょう。ケガを防ぐために「ヘルメット」「室内用の靴」があるといいでしょう。埃が舞うのでマスクも用意しておくと安心です。
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遺品整理の進め方
遺品整理は決まったルールはありませんが、ある程度流れに沿って進めていくことで効率よく進めることができます。この章では遺品整理の進め方についてご紹介します。
①遺品の仕分け
遺品を「貴重品」「処分するもの」「形見として置いておくもの」「価値がありそうなもの」などに仕分けしていきます。処分するものはごみ袋に入れて、処分しないものはダンボールに入れて誰が見てもわかるように詳細を書いておきましょう。
②不用品の処分
遺品整理で仕分けた不用品を処分します。地域によって不用品の処分方法は違いますので、事前に調べた処分方法で処分します。
③買取してもらう
遺品の中には価値がありそうなものが出てくることもあると思います。その様な遺品は一度買取業者に持って行って査定してもらうといいでしょう。
④形見を遺族で分ける
遺品の中で故人が大切にしていた物を形見として分けます。ただし、高価なものは贈与税の対象になるケースもあるので気をつけなくてはいけません。
遺品整理の注意点
遺品整理を進めていく中でどうしたらいいか分からないことや、うまくいかないことも出てくると思います。この章では遺品整理を行う上での注意点についてご紹介します。
処分する際は注意する
処分するものは細心の注意を払うようにしましょう。不用と思っても、価値があるものや必要な書類であるケースもあります。一人で判断できない場合はとりあえず置いておいて、家族や専門家に相談してから処分することでトラブルを防ぐことができます。
無理に進めない
遺品整理は故人を思い、気持ちの整理をする時間でもあります。遺品整理を進めていく中で気持ちが辛くて進められないこともあると思います。どうしても急いで遺品整理をしないといけないということではなければ、気持ちが落ち着いてからまた再開するようにしましょう。
始める前に遺品の量を調べておく
故人と離れて暮らしていたケースも多く、遺品がどのくらいあるか分からないということもあると思います。しかし、遺品がどのくらいあるか分からずに闇雲に遺品整理を進めてしまうと、スケジュール通りに終わらなかったり、トラブルになるリスクも上がります。遺品整理を始める前に一度確認しておくようにしましょう。
相談できる専門家を確認しておく
遺品整理はただ不用品を処分する作業ではなく、資産を分与する複雑な作業です。素人には複雑な書類や価値が分からないものなどを扱うこともあります。法律が関係することもありますので、自分たちで判断できない場合は弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。
まとめ
遺品整理は遺族ですることもできますが、体力的にも精神的にも大変な作業です。「急いでいる」「遺品の量が多い」など自分たちですることが困難な場合は、遺品整理業者に依頼することも選択肢の一つです。自分たちでする場合も業者に依頼する場合も、遺族が納得する方法で進めることが何より大事ですので、しっかり話し合って決めるようにしましょう。