いざ生前整理を行おうとすると想像以上にやるべきことがあり、迷ったり挫折してしまいます。そのような方は、生前整理の代行業者に依頼することで作業の負担を減らすことができます。
しかし生前整理業者に依頼するにしても、かかる費用や業者の選び方がわからないため利用を躊躇される方もいらっしゃるのではないでしょうか。サービスを利用する以上、どの程度の費用がかかるのかは気になりますよね。
当コラムでは、生前整理業者を選ぶポイントや費用を安くするコツなどを紹介します。
この記事を監修した人
- 小西 清香氏
- 整理収納アドバイザー
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。夫の身内6人の看取りや介護をし、生前整理の大切さを痛感。
また看護師時代ICUに勤務し、人の最期もたくさん見てきました。
そんな経験を元に元気なうちから生前整理を!という思いで、片付けと合わせてお伝えしています。
生前整理とは
まずはじめに、生前整理について解説します。
生前整理とは、ご自身が元気な間に身の回りの物を整理し片付けることで、残されたご家族の遺品整理の負担を軽くするために行う作業で、終活という言葉とともに広まった概念です。
生前整理では遺言書・エンディングノートの作成、財産目録の作成、家財道具の整理・処分、デジタル遺品の整理等を行います。
ご自身の意思で身の回りの物を整理するため、必ず残しておきたい物や誰に何をどの程度相続したいか、などをご家族に伝えやすく、心残りが無いまま最期を迎えられます。
生前整理のメリット
残された親族の負担が減る
ご自身が亡くなった際、家財道具を整理・処分するのは親族です。あなたを失って悲しい気持ちの中、どこに何があるかわからない状況で遺品整理を行うのはとてもハードです。
しかし予め生前整理を行っておくことで、遺品整理の負担を減らすことができます。
相続に関するトラブルが減る
生前整理ではご自身の財産を洗い出しまとめた財産目録や、意思を伝える遺言書などを作成するため、遺産相続がスムーズに進みやすくなります。
既に相続について具体的なイメージがあるなら、生前整理の際に生前贈与をするのも良いでしょう。
もしもの時も意思を伝えられる
不幸にも事故や災害に遭い、突然意思疎通ができなくなることがあります。前もってエンディングノートに延命や葬儀の希望を記入しておけば、ご自身が話せない状況でも希望通りの措置を受けることが可能になります。このように終活をあまり意識しない若い世代にもメリットがあります。
人生が豊かになる
生前整理はご自身の人生と向き合う作業と言っても過言ではありません。ご自身の現状を見つめ、今後の人生の課題や目標がハッキリ見えてくることもあるでしょう。それらはご自身の生きる活力になり、今後の人生を充実させてくれるはずです。
生前整理業者を利用するメリット
あまりに物が多かったり専門的なことがわからず不安な方は、生前整理を代行してくれる生前整理業者に依頼するのがおすすめです。この章では、業者を利用するメリットを紹介します。
大幅な時短
様々な現場を経験してきたプロに依頼するため、個人で行うよりもスピーディに作業を完了できます。生前整理にあまり時間を割きたくない方や、仕事や家事などが忙しい方にとって大きなメリットとなります。
不用品の処分が楽
生前整理をしているとたくさん出てくるのが大小さまざまな不用品です。自治体によっては処分方法が細かく定められていて、全てをルール通りに処分するのは面倒です。
このような面倒な作業も業者に依頼すれば、不用品を丸ごと引き取って代わりに処分してくれるので非常に便利です。大型家具の分解や運搬も任せられるため、体力に不安のある方や体が不自由な方の強い味方です。
知識が無くてもスムーズ
生前整理に必要な作業を網羅しているプロが行うため、生前整理に関する事前知識が無くても滞りなく作業が進みます。業者によっては財産目録や遺言書の書き方のアドバイスを行ってくれるところもあり、法律的な部分でもきちんとサポートしてもらえます。
ちなみに、必要な知識や作業内容が近いことから遺品整理業者でも生前整理を行っている場合があります。
生前整理業者の費用相場
生前整理作業の費用は、仕分ける物の量や作業人数、作業時間、トラックの有無、オプションサービスの有無で大きく変わります。こちらで紹介する金額はあくまでも目安ですので、必ずスタッフに現場に来てもらい見積もりをとるようにしましょう。
間取りごとの生前整理の費用相場
間取り | 金額 |
1R・1K | 約3~8万円 |
1DK | 約5~13万円 |
1LDK | 約8~20万円 |
2LDK | 約13~30万円 |
3LDK | 約20~50万円 |
4LDK~ | 約22~60万円 |
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業者の選び方と見るべきポイント
この章では生前整理業者を選ぶポイントを解説します。これらを覚えておくと、相性の良い業者や信頼できる業者を見つける際にきっと役立ちます。
ホームページを確認する
対応しているサービスから会社の基本情報まで、全ての情報が掲載されているのがホームページです。ご自身の求めるサービスにマッチしているか判断する重要な要素です。
ただし、ホームページに所在地や会社概要が掲載されていない業者や、実績の掲載が無い場合は悪徳業者の可能性があります。
見積もりをとる
部屋の間取りや物の量などで費用が大きく変わる生前整理は、一概に金額の相場を出せません。その特性からほとんどの業者で無料見積もりを実施していますので、必ず見積もりを依頼し見積書を発行してもらいましょう。できれば相見積もりをとるのが理想的です。
見積書は、どの作業にどの程度の費用がかかるのかなど根拠が明確なものであれば信頼できる業者と言えるでしょう。ついでに追加請求が発生しないかも確認しておくと安心です。逆に見積書の発行を渋ったり、作業一式〇〇円と大まかな提示しかしてくれない業者は要注意です。
スタッフの対応が良い
メール・電話の対応、現場での見積もりでスタッフの態度と相性をチェックしましょう。質問への回答が曖昧だったり、言葉遣いが乱雑な場合は利用を控えたほうが良いでしょう。
資格を持っているか
生前整理の際に出た不用品を回収し、処分するためには一般廃棄物運搬許可という資格が必要になります。この資格を持っている、または持っている業者と提携していないと、その業者は無許可で運営していることになります。
有する資格についてはホームページを見るか、問い合わせて確認し、提携先の業者についても聞いておくのが安全です。
費用を安くするコツ
生前整理にかかる費用はできるだけ抑えたいですよね。この章では費用を抑えるコツを紹介します。
できる範囲で生前整理を進める
ご自身でできる範囲だけでも生前整理を進めれば、その分業者の作業時間や作業人数を減らすことができるため、費用を安くすることができます。
可燃ごみで出せるものをある程度処分するだけでも、十分効果的です。
買取サービスを利用する
買取サービスを実施している生前整理業者は、まだ使えるものやほとんど使っていないが需要のあるものなど、買取可能なものをその場で鑑定し、価値があると判断できれば価格分を作業費用から差し引いてくれる場合があります。
買取サービスを検討される場合は、HPなどで古物商許可を持っているかどうかも確認してください。古物商許可を持っていないにも関わらず買取サービスを行っている業者は無許可営業となります。
費用について相談する
問い合わせや見積もりの際に「できるだけ費用を安く済ませたい」「予算はこれくらい」と相談することで、希望に近いプランを提案してくれることがあります。
また、他社より1円でも高ければ割引をしてくれる業者もありますので、複数の業者に問い合わせをし、相見積もりをとるのも効果的です。
大がかりな作業が無ければアドバイザーに相談する
生前整理アドバイザーや整理収納アドバイザーなどのコンサルタントに相談をするのもおすすめです。
アドバイスを受け、自分で作業を行うので、大がかりな家具の解体や運搬が無いという方は生前整理業者に依頼するよりも費用を抑えられます。
悩みがちな残す物と処分する物の仕分けから一緒に考えてくれるので、作業が早く進みます
まとめ
やることが多い生前整理ですが、残される方の苦労が減らせたり、ご自身の人生がより豊かになるなどメリットの多い作業です。
もし、生前整理をやり遂げる自信がない方は、遠慮せず業者に依頼することもご検討ください。そしてその際は今回紹介した生前整理の費用を安くするコツをご活用いただけますと幸いです。
皆様にとって気持ちのよい生前整理ができることを我々は願っています。