家族が亡くなると葬儀費用や火葬費用などの出費が発生します。
さらに葬儀を終えた後も遺品を仕分け、処分するための費用が必要になります。
遺品整理にどれくらいの費用が掛かるか気になりませんか?
今回は自力で遺品整理をした場合と遺品整理業者を利用した場合の費用の相場や、遺品整理サービスの料金はどのように決まるのかについて解説いたします。
この記事を監修した人
- 小西 清香氏
- 整理収納アドバイザー
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。夫の身内6人の看取りや介護をし、生前整理の大切さを痛感。
また看護師時代ICUに勤務し、人の最期もたくさん見てきました。
そんな経験を元に元気なうちから生前整理を!という思いで、片付けと合わせてお伝えしています。
自力で遺品整理をした場合の費用の相場
自力で遺品を整理した場合、1Kのお部屋であれば一般的に1〜10万円程度の費用が掛かると言われています。
さらに自力で遺品整理をすれば、業者に支払う手数料やサービス料金を節約できるため費用を抑えられるでしょう。
しかし、遺品が大量にある場合は体に大きな負担が掛かってしまいます。
筆者は祖母が死去したとき、家族総出で家中に残された遺品を仕分けました。 形見として残す物と手放す物に仕分け、売却できる遺品は買取専門店に持ち込みました。
ゴミ処理場に持ち込むためのトラックは近隣に住む親戚に借りたため、処分費用や車両費を大きく抑えて処分できました。 遺品整理の費用は節約できましたが、翌日は全身が筋肉痛になったためとても辛かったです。
自力で遺品を整理すると費用を節約できますが、体力に自信がない方は遺品整理を業者に依頼したほうがよいかもしれません。
遺品整理業者を利用した場合の費用の相場
遺品整理業者に不用品回収を依頼した場合、費用の相場は1Kのお部屋であれば5万円〜10万円になります。
しかし、遺品の量や間取りによって相場よりも高くなる場合があります。
急ぎの依頼に対応するため作業スタッフを追加したり、リフォームやハウスクリーニングなどのオプションの利用があればさらに金額が変動します。
当社にご依頼いただいたお客様の事例では、同じ間取りでも遺品の量や品目によって金額が異なっています。
また、買取可能な遺品があった場合は買取金の差し引きによってさらに安い料金となったケースもあります。
当社の作業事例は以下のページで掲載しているため、ぜひ参考にしてください。
こちらの記事で遺品整理の費用相場を詳しく紹介しています
遺品整理サービスの料金はどうやって決まる?
遺品整理サービスの料金は主に以下の費用によって決まります。
遺品の処分費用
処分しなければならない遺品が多いほど、処分費用は増加します。
反対に整理や処分をする遺品が少ないほど処分費用は安くなりますので、ご自身で事前に遺品を片付けておけば出費を抑えられます。
人件費
大量の遺品を仕分ける作業や、階段がないマンションの上階から遺品を運ぶ作業など、作業の難易度が高い現場では必要なスタッフの人数が増える場合があり、高い人件費を請求されます。
車両費
不要な遺品を回収するためにはトラックが必要です。現場までの交通費や、不用品の保管場所や処分場まで輸送する費用は車両費、あるいは運搬費として請求されます。
現場の近くにトラックを停められない場合は、駐車場料金も別途請求される場合があります。
上記の他に、状況に応じてリフォームやハウスクリーニングの費用が追加される場合もあります。
例えば孤独死現場を片付けるためには、遺品整理とあわせてお部屋の原状回復に必要な特殊清掃を行うため高額な費用を請求されます。
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料金の安さだけで遺品整理業者を選ぶのは危険
料金の安さだけで遺品整理業者を選ぶと、作業終了後に事前に聞かされていない追加料金を請求されたり、遺品を不法投棄されたりなどのトラブルに巻き込まれる恐れがあります。
悪質な遺品整理業者を利用しないために、料金面だけでなく作業実績やスタッフの雰囲気なども参考にして選びましょう。
遺品整理業者を選ぶ際に注意するべきポイントは以下の通りです。
遺品整理士の資格を持っているか
遺品整理に関する専門知識があると証明するために、遺品整理士の資格を取得しているスタッフが在籍している業者が存在します。
遺品整理士の資格を持つスタッフが在籍している業者を選べば、遺族の要望や思いに寄り添った高品質のサービスを受けられます。
遺品整理の資格を持っていない優良業者も存在しますが、信頼できる業者を選ぶための判断基準として頭に入れておきましょう。
明確な見積書を提示してくれるか
作業の内訳が明確に記載されており、どんな人件費や手数料が含まれているかわかりやすい見積書を提示してもらえる業者を選びましょう。
悪質な業者は明朗な内訳を明記せず、不必要なサービスを含めた合計額を請求します。
国民生活センターでは、遺品整理業者を利用する場合は複数の業者から相見積もりをとり、サービス内容や金額を比較するよう注意喚起が行われています。
参考サイト:【「遺品整理を頼むときは、複数の事業者から見積もりを」国民生活センター】
もし相見積もりに対応してもらえない場合は悪質な業者である可能性が高いため、利用しないほうが賢明です。
豊富な作業実績があるか
大量の遺品を素早く仕分け、搬出する作業には豊富な作業経験が求められます。
豊富な作業経験を積んでいるスタッフであれば、突然のトラブルにも柔軟に対応してもらえます。
また、作業実績をホームページに掲載していれば、間取りや遺品の量などの情報から相場を確認できます。
遺品整理サービスの費用を抑える方法
整理する遺品の量が多ければ多いほど処分費用は高くなります。
遺品整理の費用を抑えるためには、事前に依頼する遺品の量を減らしておくことがポイントです。
事前に処分できる物は自力で処分する
遺品一つひとつを細かく分別すれば、無料で処分できる物が見つかります。
例えばビンやカン、古雑誌などは資源ゴミとして無料で処分できます。
衣類も購入した店舗に回収用のボックスが設置されている場合があり、そこに入れて廃棄すれば費用が掛かりません。
遺品整理業者を利用する場合は、事前にできる範囲で遺品を整理しておきましょう。
売却できそうな物は不用品買取に出す
ブランド品や貴金属、希少性の高いコレクション品などは買取専門店に持ち込めば売却できます。
冷蔵庫やテレビなどの家電リサイクル法対象機器の買取が成立すれば、処分に費用が掛かる家電を無料で手放せるだけでなく、買取金も貰えるためお得です。
筆者は祖母の遺品整理をしていたとき、父が学生のころに使用していたレコードプレーヤーを見つけました。汚れや割れている箇所があったため高い値段はつかないだろうと思いながら査定に出したところ、希少性が高い点を評価され高価買取結果が算出されました。
一般の方にとっては価値がないと思えるような物も、専門家の査定によって高い買取価格が出る場合もあります。
買取品としてリユースをすればゴミの排出量も削減できるため、状態がよく中古状態でも需要が高い物は積極的に買取査定に出してみましょう。
まとめ
遺品整理は自力で行う場合と遺品整理業者を利用する場合で相場が異なります。
自力で遺品整理をすれば費用を大きく抑えられますが、遺品の量によっては時間や体力を大きく消耗してしまいます。
遺品整理業者を利用したときの費用は、遺品の量や間取りによって変動します。
安い費用で業者に依頼したい場合は相見積もりを行い、遺品整理士の資格の有無や明確な見積書の提示、豊富な作業実績なども参考にしながら選ぶようにしましょう。
料金だけでなく、信頼性やサービスの質も考慮し、安心して利用できる業者を探してみましょう。