遺品整理時には衣類や家具、家電、雑貨類など様々な品物を仕分けし、処分することになります。
処分に困る物はいくつかありますが、中でも冷蔵庫は買い替える機会はあっても処分することはあまりないので、捨て方に悩む人も多いようです。
大きくて重たいため運び出すだけでも大変なのに、家電リサイクル法によって処分方法にも決まりがあり、守らなければ処罰を受けることもあります。
当コラムでは冷蔵庫の正しい処分方法や処分時の注意点、自分にあった処分方法の選び方などを詳しくご紹介いたします。
この記事を監修した人
- 小西 清香氏
- 整理収納アドバイザー
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。夫の身内6人の看取りや介護をし、生前整理の大切さを痛感。
また看護師時代ICUに勤務し、人の最期もたくさん見てきました。
そんな経験を元に元気なうちから生前整理を!という思いで、片付けと合わせてお伝えしています。
冷蔵庫の処分方法は6種類
家電量販店への持ち込み
冷蔵庫を購入したお店がわかっていて、今も営業しているのなら引き取りを依頼できます。
販売店によって回収方法が異なるので、直接問い合わせて確認しましょう。
買い替えの場合なら自宅まで引き取りに来てくれるお店も多いですが、処分だけの場合は、基本的にお店まで自力での持ち込みが必要なようです。
指定引き取り場所への持ち込み
郵便局で家電リサイクル券を入手して必要事項を記入し、郵便局・ゆうちょ銀行からリサイクル料を振り込みます。
振替払込受付証明書またはATMの利用明細票のコピーを家電リサイクル券に貼り付け、指定引き取り場所へ持ち込みましょう。
最寄りの指定引き取り場所は、下記の一般社団法人家電製品協会家電リサイクル券センターの検索ページで調べられます。
*参考サイト
指定引取場所検索(一般財団法人家電製品協会家電リサイクル券センター)
自治体へ依頼する
自治体によっては組合や協力店と連携し、家電4品目の回収ができる体制を整えているところもあります。
例を挙げると、東京23区や横浜市、関西では兵庫県、奈良市などが実施しています。
自治体ごとに対応幅や回収方法が異なりますので、問い合わせてみましょう。
リサイクルショップ・フリマアプリの利用
まだ使用できる冷蔵庫ならリサイクルショップで買取してもらえることがあります。
無料で出張査定してくれるところもあるので、探してみると良いでしょう。
また、フリマアプリを利用して売却することもできます。
その場合は送料分を見越して値段を付けるようにしましょう。
元々処分費用がかかる冷蔵庫なのですから、送料分のみの値段でも、実質無料で引き取ってもらえるようなものなので充分ありがたいことです。
ジモティーもおすすめです。
近くの方に取りに来ていただけるメリットがあります。
不用品回収業者へ依頼
不用品回収業者なら冷蔵庫の搬出から対応してくれるので、屋外まで自力で運ぶことが難しい人にとっては嬉しいサービスです。
遺品整理業者へ依頼
遺品整理作業とともに、冷蔵庫はもちろん他の不用品も引き取ってもらえますし、搬出作業も任せられます。
遺品整理で冷蔵庫を処分する時の注意点
家電リサイクル法対象品
冷蔵庫は、テレビ、エアコン、洗濯機と同様に家電リサイクル法でリサイクルが義務付けられているため、粗大ゴミとして処分することはできません。
法に則った方法で冷蔵庫を処分しなかった場合の罰則は、その冷蔵庫を販売した小売業者や製造業者、回収を行った業者に科せられます。
しかし、もしその冷蔵庫が不法投棄された場合、元の持ち主も不法投棄の罪に問われることがあります。
その場合、5年以下の懲役か1,000万円以下の罰金が科せられてしまうのです。
冷蔵庫は必ず正しい方法で処分しましょう。
冷蔵庫の中の物は出しておく
冷蔵庫を処分する際に、うっかり忘れてしまいがちなのが冷蔵庫の中身です。
中身が入ったままでは、家電量販店や指定引き取り場所へ持ち込んでも引き取ってもらえません。
中の物も一緒に処分したいなら、不用品回収業者や遺品整理業者に相談しましょう。
もし中の物が腐敗し、虫が湧いているほど酷い状態なら、特殊清掃業者に処分を依頼しなくてはいけない場合もあります。
冷蔵庫の処分にかかる費用はどれくらい?
冷蔵庫の処分には家電リサイクル料と収集・運搬料が必要です。
収集・運搬料は事業者によって異なりますし、中には処分費用や室内からの搬出費用が別途かかるところもあるようです。
指定引き取り場所への持ち込みの場合には収集・運搬料はかかりません。
冷蔵庫はサイズによってリサイクル料が異なります。
基本的に170L以下の物は3,740円(税込)*、170L以上の物は4,730円(税込)*となりますが、詳しくは下記リンクより家電リサイクル券センターのホームページへアクセスし、メーカー名や品番などで検索してください。
*リサイクル料は2023年11月時点のものであり、今後改定される可能性もあります。
*参考サイト
再商品化等料金一覧(家電リサイクル料金)家電リサイクル券センター
【冷蔵庫の引き取り費用相場】
家電量販店:5,000~8,000円程(家電リサイクル料込)
不用品回収業者:7,000~10,000円程(家電リサイクル料込)
遺品整理業者の場合、遺品整理を行う広さ(間取り)によって料金が設定されており、冷蔵庫の処分も作業内容に含まれています。
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どの処分方法が1番良いの?
どの処分方法が1番良いのかは、その人の価値観や要望によっても変わってきます。
「費用」「スピード」「対応力」で、それぞれ優秀な方法をピックアップし、注意点もあわせてご紹介します。
費用面でお得なのは
・リサイクルショップ・フリマアプリの利用
売却できれば処分費用はかかりません。
注意点:リサイクルショップでは自力での持ち込みが必要な場合もあり、フリマアプリなら発送準備や購入者とのやり取りを自分でしなければならない、いつ売れるかわからないなど、手間と時間がかかります。
・指定引き取り場所への持ち込み
家電リサイクル料のみで処分できます。
注意点:事前に家電リサイクル料の振り込みを済ませ、持ち込みは自力でする必要があります。
回収量が多くスピード重視なら
・不用品回収業者
大量の不用品・処分品を一括で回収してくれるうえに、分別や搬出も任せられます。
注意点:遺品の丁寧な扱いは期待できません。
万が一悪徳業者に依頼してしまったら高額請求や遺品の盗難、不法投棄などのトラブルに遭う可能性もあります。
*参考サイト
廃家電や粗大ごみなど、廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!(環境省)
遺品を丁寧に扱ってほしい、遺品整理や遺品供養も頼みたいなら
・遺品整理業者
故人や遺族の気持ちに寄り添い、遺品を丁寧に仕分けし、不要な品は引き取ってくれます。
遺品の供養や買取を行ってくれるところもあります。
注意点:遺品整理作業すべてが含まれた費用なので、他の方法よりも高額になります。
単純に費用面だけでみれば、リサイクルショップやフリマアプリを利用しての売却が1番お得です。
しかし、他にも処分したい不用品がいくつもある場合や遺品を丁寧に扱ってほしい、遺品整理も依頼したいといった場合には最適とはいえません。
遺品整理業者は、遺品整理を行う広さ(間取り)や遺品量、オプションメニューの有無などで費用が変わるため、他の方法と比べて一見高額に感じてしまいます。
しかし、遺品整理時のお困り事に幅広く対応してくれるので、遺品整理業者への依頼は、遺品整理に悩む人にとっては費用対効果が高く、最善の方法だと筆者は思います。
遺品整理業者選びのポイント7つ
超高齢化社会となり需要が高まったことから、遺品整理や生前整理サービスを行う業者も増えました。
インターネットで「遺品整理」「地名(遺品整理したい住居の所在地)」を入力するだけで、たくさんの業者のホームページが出てきます。
サービスが受けやすくなったのは良いことですが、中には悪徳業者や素人同然の未熟な業者も紛れているので、業者選びは慎重に行いたいところです。
業者選びのポイントを7つご紹介しますので、以下を参考に自分の要望にぴったりの優良業者を見付けてください。
・遺品整理士が在籍している
・一般廃棄物収集運搬業許可、古物商許可を得ている、または許可を得た業者と提携している
・会社概要、運営年数、実績が明確
・口コミ評価で上位
・接客対応が良い
・見積書が詳細でわかりやすい
・複数社で相見積もりを取り比較する
*関連コラム
安心して任せられる優良な遺品整理業者の見付け方!ポイントを解説!
まとめ
リサイクルが義務付けされている冷蔵庫ですが、処分方法にはいくつかの選択肢があります。
遺品整理は自分たちで行って、冷蔵庫の処分だけを考えているのであれば指定引き取り場所への持ち込みや不用品回収業者を利用するのも良いでしょう。
遺品整理のやり方がわからない、遺品量が多くて困っている、という人なら遺品整理業者へ依頼するのがおすすめです。
現場状況や予算、自身の要望などを鑑みて、ベストな方法を選んでください。
*関連コラム
遺品整理業者と不用品回収業者の違いやメリット・デメリットを解説